インテグラル株式会社

CASE STUDY

本当の「仲間」と呼ばれて――
プリモグローバルHD様と
インテグラルの5年間

プリモグローバルホールディングス株式会社

代表取締役社長の澤野直樹様(左)とインテグラルの木元(右)

2025年6月、プリモグローバルホールディングス株式会社(以下、「プリモ様」)は東京証券取引所に上場を果たされました。1999 年創業のプリモ様は、「I-PRIMO」と「ラザール ダイヤモンド」という2つのブライダルジュエリーブランドを有し、133 店舗(国内:87店舗、海外:46店舗)店舗 を展開されております。
創業者が2004年に株式を投資ファンドに売却して以降、プリモ様はIPOを通じて社会の公器になることを望むも果たせず、複数の投資ファンドの傘下を経てこられました。 そうした時代を経て、2021年1月にインテグラルが投資を実行し、その後、2025年6月に悲願のIPOを実現されております。

その裏側には、インテグラルの「i-Engine」という独自の経営支援の仕組みがありました ―― インテグラルのプロフェッショナルが投資先企業様へ常駐し、フルタイムで現場に入り込み、会社の一員として社員の皆様と一緒に汗をかく ―― インテグラルの若手メンバーとして、プリモ様へ派遣された木元 章雅(現 ディレクター:経歴は本ページ末尾)が、プリモ様とどのように働いていたのか?本稿では、プリモ様の代表取締役社長である澤野 直樹様と、関係者の皆様へのインタビューから、その実像を追います。

Part I : 澤野社長が語る
IPOまでの5年間

――まず、インテグラルが参画する前の状況を振り返って、いかがでしたか。

澤野社長:弊社の株主が、投資ファンドからインテグラルさんに変わるタイミングの時に、ちょうどコロナ禍がありました。コロナを起因として、受注が上がったり下がったりと非常に不安定な状況でした。 そんな状況下、当時の株主のファンドが Exitを検討する中で、IPOは準備まではしていたものの、 結局、新しい株主を探すことになりました。当時はコロナ禍であり、かつ、新しい株主も見えない中で、正直不安もありました。

――澤野社長ご自身は、インテグラルの参画にあたってどのような期待をされていましたか。

澤野社長:私自身は、3回続けてファンドの株主が続いた後で、また株主が交代するのか、、、と複雑な心境でしたが、インテグラルのパートナーである山崎壯さん・二井矢聡子さんと初めてお会いした際、「IPOを一番に考えています。5年以内に、必ずIPOしましょう。」と、まず一言、開口一番で仰っていただいて。
私としてもファンド傘下で約20年間、経営者としてずっとやってきましたので、中長期的に、この会社の今後のことを考えても、IPOは悲願でした。インテグラルさんから、そういう温かいお言葉というか、私自身も目指していたものを、「一緒にやり遂げましょう」と、はっきりと言っていただいたこともあり、私も他の経営陣も「よし、インテグラルさんと、しっかりやりきろう!」という空気になりましたね。

インタビューにお答えになる澤野社長

――インテグラルの「i-Engine」(インテグラルの社内メンバーを常駐者として派遣する経営支援)について、最初はどのように受け止められましたか。

澤野社長:弊社はファンド株主が続きましたが、インテグラルさんの2つの強みである、「ハイブリッド投資」と「i-Engine」(常駐型の経営支援)の仕組みですけれども、特に 「i-Engine」のところは初めての経験でした。前の株主も、その前も株主も、月2回程度お会いして前月の振り返りと今月のアクションプランを相談するくらいで、あとはメールベースでやり取り、というコミュニケーションが多かったんです。 そうしたコミュニケーションとは、インテグラルさんの場合は対極で、その意味で、とても斬新だと感じました。「え?毎日ウチの会社に来てくれて、ここまで弊社の社員と一緒になって仕事をしてくれるのか!」 と。

――インテグラルの木元との最初の出会いは、どのような印象でしたか。

澤野社長:とても爽やかな印象で、うちの経営幹部陣がだいたい40代半ばぐらいが多い中でいうと、木元さんは、ちょうど一回り下ぐらいの年齢でした。その年齢層で、自分の意見も臆せずしっかり言える若手っていうのは弊社にいなかったので、とてもフレッシュでした。

――木元が取り組んだ初期のプロジェクトとして、国内の「I-PRIMO」のリブランディングが大きかったと聞いています。

澤野社長:「I-PRIMO」というブランドは、国内においては、ちょうどブライダルリングの市場平均単価にドストライクに入るような、比較的マス層に向けたブランドだったのですが、コロナ禍を過ぎた後に、やはり結婚披露宴にかける金額の割合が減り、ブライダルリングのウォレットシェア(編集者注:消費者の予算)が上がって、市場全体の客単価が上がりました。
ですから我々みたいなポジショニングのブランドからお客様が離脱していって、海外のラグジュアリーブランドにお客さまが流れるようになり、2年連続で国内事業の業績が減収になってしまった。そういう混沌とした状況で木元さんが来られて、一緒に日本国内における「I-PRIMO」のリブランディングに取り組みました。

――リブランディングの一環としての銀座フラッグシップ店への投資も、大きな決断だったと聞いております。

澤野社長:旗艦店舗の移転リニューアルオープンということで、かなり高額な投資をしました。私の経営者人生で最大の投資になるため、決断の際には非常に悩んだのですけれども、インテグラルの木元さん始めとする皆さまとディスカッションしていく中で、今後は国内だけじゃなく海外にも積極的にアピールしていくには、一定の「面構」が必要であり、銀座の一等地にある 300坪の「グローバル旗艦店」を持つのは効果的だと、最終的にインテグラルさんから背中を押していただきました。 結果的に、見事ですね、2022年の後半から業績が良くなりはじめまして、2023年、特にフルイヤーで効いたのは2024年8月期、2025年8月期、この2年連続で大幅な増収が実現できました。

銀座にある旗艦店の接客スペースに立つ木元 (向かって左)

――IPOのプロセスでは、どのような局面が印象に残っていますか。

澤野社長:IPOローンチのスケジューリングも、インテグラルさんが「絶対にやりきりましょう」という姿勢で、ベストなタイミングを見極めようと、ギリギリまで待って、かなり細かいところまで詰めて、一緒に動いてくれました。2025年の春くらいが最終準備の段階でして、トランプ関税も発動されて、株式市況も混乱するなか、山崎さんや木元さん達と一緒に毎日キリキリしながらも、「ここまで来たんだから、絶対にやるんだ!」っていう気持ちで乗り切りました。

――IPO 支援において、インテグラルの知見は、どのように活きましたか。

澤野社長:インテグラルさんは投資先企業をIPOさせた実績をかなり多くお持ちで、様々な知見を共有いただきました。人づての知識に基づくアドバイスじゃなくて、実際に当事者として身をもって様々な局面を経験されておられるので、安心感がありました。
木元さんも i-Engineとして、うちの社員同様に汗をかいていただきました。潜在的なIPO投資家とのインフォメーション・ミーティング(IM)やロードショーに向けての膨大な資料の作成、関係先との交渉・対話、ほとんど木元さんと、弊社のCFO と二人三脚で成し遂げてもらいました。完全に弊社の一員として動いてくれました。

――インテグラルとの約5年間を振り返って、総括をお願いします。

澤野社長:今までの株主さん達のなかでは、IPOが達成できたっていうところも含めてですね、一番良いコミュニケーションと距離感でやらせていただいたかなという風に感じております。様々な局面で、 私の経営者としての意思決定を、とにかく尊重していただいた。その部分は大変ありがたかったです。 そしてやはり i-Engine。木元さんを常駐で派遣することには、インテグラルさんとしても戦力ダウンになるので、大きなパワーがいるはず。本当の意味で「リソースを割く」っていうのは、投資ファンドは普通は絶対やらない方法なのかな、、、と思っていたのですけど、木元さんが来て、弊社の社員と机を並べて、日々一緒に仕事をしてくれる。投資先企業の管理っていう目線じゃなくて、対等の立場で、とにかく一緒に「現場で汗をかく」というスタンスでした。

Part II : 事業の現場で見た、i-Engineの実際

澤野社長が語った5年間において、インテグラルの木元はプリモ様の皆様とどのように動いていたのでしょうか。
事業の現場でご一緒させていただいた関係者の皆様の証言から、i-Engineの実像が浮かび上がります。

沖 康輔 様(執行役員 営業部門)

「I-PRIMO」のリブランディングにて協働

「木元さんは常駐で来てくれて、我々が気づかない課題をいろいろ見つけてくれました。足りないリソースを特定して外部専門家を紹介していただいたりして、伴走してサポートしていただきました」
「木元さんは常駐しているので、いつも見えるところにいて、いつでも話しかけられるので、安心感がありました。コミュニケーション量がすごく増えて、シンプルに言うと雰囲気が明るくなり、仕事を前向きにみんなで取り組めるようになりました」

沖 康輔 様(執行役員 営業部門)

海外展開も支援

木元は、プリモ様のシンガポール法人にも駐在し、事業の立ち上げや店舗運営をサポートさせていただきました。店舗での接客やブライダルフェアの企画など、小売の現場における業務も経験し、キャンペーン企画、商品単価見直し、人事制度策定などを支援いたしました。

Angel Wong 様(シンガポール法人 Managing Director

海外法人スタッフとの絆

「木元さんがシンガポールに着任する前は、現地法人を立ち上げたばかりで、日本の本社との信頼度が醸成されておらず、コミュニケーション・コストが大きく、現場でタイムリーに取るべきアクションが速く進まないところがありました。本社の経営陣から信頼されている木元さんが来てくれて、本社とのコミュニケーションがスムーズになり、意思決定も速まり、物事がスピーディーに動き出しました」
「木元さんは、シンガポール法人では、とにかく大人気でした。現場の店舗スタッフにも熱心に耳を傾けてくれることに加えて、彼が金融や経営のバックグラウンドも持っているので、とてもユニークな存在でした。社内イベントにも常連として来てくれて、今も私や現地スタッフは、彼を本当の意味で 『仲間』だと思っています」

Angel Wong 様(Managing Director,
Primo Diamond Singapore Pte. Ltd.)

2023年、プリモ様は米国の世界三大カッティングブランドである「ラザール ダイヤモンド」の商標権を取得されました。
取引先として、プリモ様と2003年から20年以上の付き合いがあるラザール・キャプラン・ジャパン代表の明智正一様は、
プリモ様による「ラザール ダイヤモンド」の商標権取得時のやり取りや、プリモ様の一員として働いていた木元との想い出について語ってくださいました。

明智 正一 様(ラザール・キャプラン・ジャパン・インク代表)

グローバル取引にて協働

「プリモさんとインテグラルさんがタッグを組むことで、今までになく全世界的な視野に立った議論ができ るようになりました。商標権の取得時には、インテグラルさんが交渉の舞台に入ってくれたことによって、 米国本社との交渉の流れも、スムーズにいきました」
「インテグラルさんの印象ですか?やっぱりね、『人』がすごくいい。今回インテグラルさんになって、 木元さんが前面に出てこられて、プリモさんの社員の方々と全く同じ立場・目線でやっておられた。 そういうのって、わかるじゃないですか、人間って。スッと入ってくるんですよ、思考過程が。プリモさんの企業価値を上げるというのがインテグラルさんの使命だったと思いますけども、取引先である我々の企業価値も引き連れて上がっていくような感じがしました」

ラザール・キャプラン・ジャパン・インク代表の明智正一様(右)とインテグラルの木元(左)

佐田 大輔 様(執行役員 経営管理部門

二人三脚でIPOへ

佐田様は、2021年8月にプリモ様にCFOとして入社されました。
「私の場合は、最初にインテグラルの皆様と面接して、投資先企業への熱い思いを感じて入社しました」
「IPOのみならず、ファイナンス関連の難しい局面では、木元さんがいつも『佐田さん、大丈夫です。 一つずつやることやって上場まで頑張りましょう!』と、いつも明るく振舞っていた。そういった明るく寄り添うスタイルに自分自身も自信や勇気が出ました。事業面では、半年おきに起こる問題を彼が先回りして分析してソリューションを提案してくれました。彼がいなかったらIPOまでこぎつけることはできなかったと思います」

佐田 大輔 様(執行役員 経営管理部門)

当社在籍プロフェッショナルによる常駐支援(i-Engine)について

投資先企業様の価値向上を目指し、(投資先企業様のニーズに応じて)当社在籍の担当プロフェッショナルが投資先企業様に常駐して、一緒に現場で汗をかきながら、経営支援を実行する機能を有しており、"i-Engine"と呼んでおります。
経営管理部門のみならず、営業や事業推進の現場の皆様に寄り添った常駐型の経営支援は、インテグラルの特長であり、企業改革を実行する人材の不足に悩む投資先企業様から評価をいただいております。
投資先企業様だけでなく、その取引先、パートナー企業、そして関わる全ての人々の価値を引き上げていくことは、投資の「資金」だけでは成し得ないと、インテグラルのメンバーは考えております。「人」が、現場に入り、同じ目線で、一緒に汗をかくからこそ実現できると考えております。今後も、i-Engineの取組を磨き上げ、インテグラルが目指す「信頼できる資本家」としての在り方を深化させてまいります。

ディレクター / インテグラル株式会社

木元 章雅AKIMASA KIMOTO

同志社大学経済学部卒 大和証券にて、金融、通信、テクノロジー、コンシュー マーなどの業界における資金調達およびM&A業務に従事。
2020年4月当社入社